YUGURE, or not.

 ゆっくりと錆びて凝固する砂漠の心臓は化物みたいな鼓動を馳せ、恥ずべき水が傷口から滴っては、真っ黒な髪が張りついておぞましい。太陽は弛緩して今年一番の長い夜に飲まれた。欲望を吐き尽くしてしまいそう、愛される悦びを知らない陰と影が煙たい密室で今にも融解する模様。孵らない卵にキスを、絶える進化論に地図を。
 冬の匂いを嗅ぎ分けて、夜へと旋回する東京・新宿は今、線を超える!苦い大海嘯を受けとめるそれは夕暮れか、否か。