明日は来てしまう

 空の青で僕の皮膚が少し色付けばいい、雲を絡めたこの腕を間の抜けたサイレンで切り落として標本にしよう。人身事故で停まる腥い湿度の車内で君に手紙を認めた、もう十分、僕らは輪郭線を描けたから、大丈夫。君は!破り捨てるんだろうなあ!この電車を止めた主と同じスタンスを貌りたい、出来ないなら完全に跡形もなく失踪したい。どちらも出来ないってわかってしまった、僕は僕という外殻を遺して内臓も骨も意識も思い出も溶けて、なくなった。
 本当に空白を笑えるの?誰もいなくなった本棚の影でした過ちに於ける償いを覚えている?引力に服従するバラの淡くもくすんだ色を何て名前で呼んだら、ギミックは暴かれずに葬れるのだろうか、ばかり考えている。暴言も号泣も何て意味のない行為なんだろう!僕が死んだって君に朝は来るから。疑惑、秘密、疎外と紛争ばかりの明日を君と迎えたいのに、君が一体誰なのだか僕は知らないんだ。