上弦の愛、下弦の死

 責められ続けている僕の幻聴を救う術があると言うなら、どうぞお構い無く仰って下さいな。きらきらした自由を手に入れるのは至難の技。愛しているって言ったって何も具体化出来ないんだから、お前の諭すように言う頑張ってが聞きたくないんだ。震えて、何も出来なくなった手は自分の弱さを責めるためにしか存在してないんでしょう?その気がないなら極限までの追放を、可能なら呪いのような愛を込めて、伸ばして、その腕を。
 次の満月までに結論を出してしまえたらよかったのにな。きっともう間に合わないから、あの日の真新しい死刑を自らに処すしか、償えないよ。さようなら!