エチュード

 長い戦いが今終わる!とうとうと雨を呼ばない、僕は雨乞い師になる夢を見た。繰り返す!日常に疲弊する精神が眠れない日々を続かせる。急かせ、もう一度だけ言うぞ、愛しているんだ、こんな愛無き世界に、僕はひとつにはなれない、二つに離れない。曖昧な正三角形を玩ぶ、秒針の無い時計が本当に正確な時刻を指すのだから、明日が来なければいいと、言った、君だった。
 窮屈な頭蓋骨の中でやわらかくなった僕の腫瘍をスプーンで掬って食べた、冷えた皿にはトマトの残滓、プールで泳ぐ手のひらの鯨、すべてを僕にくれよ。カタルシス、パラドクス、特に意味をもたない言葉の羅列を充分にこの手で抱きしめることができる。風圧はこの端の向こうに膨らんでいく下腹部とつきが見ている。どうして、など、問うてはいけない、なぜなのと、乞うてはならん。
 景色はもうすぐ土曜日の形相で、めくらましの現実とそこから逃亡するための言葉。僕の足はもうゆがんでいる!