方向性

 僕の心に正しい方向を探してはならない、なぜなら一度囚われたならば逃げてはいけないと言われたからです。歯の足りない歯車は社会の中では回れない、仕合わせな環境を探したいのに無駄な火の粉を飛ばして削られながらこれからずっと生きていなくては。これが正解なんて思わなかった。死んでも守りたいものは、この身体が培った青い炎だ。
 帰る家をなくしてしまった、一瞬にして。父さん、あなたの様にはなれなかった僕をいつかは許してくれますか。