感染

 次の夏の予定を認めてほしい。揺るがないで立ち尽くすのは終わりの気配に怯えているから、硝子越しで見ていたのは野原が焼けていく風景。繋いでって伸べた線が有り余る乞い、生き易い方法と摩り替えた惑星間の問い、まだ来ない筈の未来に期待は野暮だろう?目を瞑ってそれでも見えた世界の原風景をいつまでも愛したい。淀みのない空白に僕の全部を描きつくして、きれいでしょう?ほら、そんな言葉は白日に晒されるだけだ、風化してしまったら君の手でさえ拒んで壊れてしまうはず。
 そうか、僕には悲しい顔が似合うかい?囀りを知らないまま飛べた空はいつしか雲が翳って、門は閉じることを恐れていていい。拙い道徳に圧し折られる君の病は一種の罪さ、美化などするな、真っ直ぐに歩けよ。描いた方法などもういいんだ、それが正解じゃない。誰も聞いていない真意を答えたがるのは、本当に伝えたいことがないからだろう?真夏日がもうすぐ来るとして、君の血を誰かに渡してしまわないようにただ黙ってくれ。