ΠΛΑΝΗΤΕΣ

 旅を終えて老いた眼の虹彩がひとつの答えを物語るなら、その全てを僕が迷わず纏めて綴ろう。夏の馨、蝶の影、眩む路面と驟く雲、また来る雨の気配に僕は帽子を目深に被り直して、噛み潰したのは咄嗟に出てしまった悪態。手探りで捜し当てた君の目隠し・グッドバイ、あああ!なんだか一昨年の影が笑って走り去って行くようだ。
 卑しい工具で僕を犯したときに君が発した種の起源は、ざらついたアトリエから見えた真っ昼間の月と同じ色をしていた。美しいだろうか、こんな東の果てで惑う者を描く線は。愛しい?悲しい?そのどちらでもないんだ。湧き出た真っ白な感情を君に全部あげるよ。