ロスト・イン・プラネタリウム

 長い夜は明けなくて良いよ、と、うその星を潰した。あれから僕は間違ったナイフで君を殺め、正しくなったフォークでまずは内臓から、そして血から骨からすっかり君を味わった。でも君は笑っていた、分裂した僕の暴れる言葉・妄りな想いを笑っていた。結末の後の結末、は、何とも呆気ない幕切れで、この六畳間を埋め尽くす星みたいな嘘、僕は溝の跳んだ終わらないレコードになっただけ。
 ふたつの脚ではバランスが取れず、寄る辺なく崩折れてしまったら僕を支えて。机のように確固たる、獣のように四つ足の、二つで一つの生命体。弾いたことのないピアノはヘ長調で緩急を繰り返し、穏やかな夢へと墜落していく。天頂で鈍るラブラドライト、惑える星の角度が為す僕の宿命の指を舐りながら君は呟いた、「俺は知っている。」