OVERDOSED LOVE

 衒うべき奇は君のために大切にしまっておいたから、僕の湾曲した月状骨を削って薬を拵えよう、世界の終わりのような朝が来たときは何錠でも差し上げよう。要らなくなった鋏、砕け損なった鏡、君の手には何が残って、僕の呼吸は何を失った?それは互いに判っていたのに、沈黙が豊かな夜を連れてきてしまうから道を間違えてしまうんだ。
 飲み干した末路、愛という不埒な化学物質、寄り添いたいと思った君は通信が途切れ、最後の最後ではぐらかされた答え。明日の約束が喩え嘘でも、僕はそれに溺れる準備をしていた。していた、していた。