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 枯れ切ったその眼窩を濡らすのは今日の雨だろうか、飢えたこの肋骨を登るのは明日の半月だろうか。僕は魔物を飼い馴らし、君に喰らい付いて離れない。「もう一度…」と伸べた手の行方、目の交点には僕ではなくて深宇宙。夜鷹は山羊の歌うたい、僕は一抱えのヴィオールを以ってピツィカートで応ずる魚!愛する者が張る羂、目に見えない罸、君の血を冒す客人が遺した感染症、僕の血で犯す天鵞絨の手を模した異嗜症。世界は寒々しい氷に隠されて嘘も本当も全て同じさ。
 対を成す事象は君であり僕であり、紛うことなき真実で途方もない虚構だった!誰かのために湛えた涙が君の焦点が捕う星になるのであれば、魔物の背には羽根が生え、夜明けと共に高く高く昇ろうぞ。恥じらうな、逖い空間で君を待とう、最新鋭の魔術はお嫌いですか?